今年の6月から始まる司法取引制度と並ぶ重要な刑事訴訟法の改正が刑事免責制度です。
刑事免責制度は,他人の刑事事件で証人として証言する際に,
自己の証言拒絶権を剥奪して証言をさせる代わりに,
そこで証言した内容は,自分の刑事事件の証拠としては使えないというものです。
司法取引制度との大きな違いは,
司法取引制度が対象犯罪が決められているのに対し,
刑事免責制度は対象の限定はありません。
そのため,集団万引きでの共犯者の裁判に呼ばれて,刑事免責制度が利用されるということがありえます。
また,司法取引は,検察官の恩典が合意できるのに対し,
明治免責制度は,そのような合意は出来ません。
証言自体は使えませんが,それ以外の証拠で有罪とできるばあいは,
起訴されたり,重い求刑がなされたりすることがあります。
また,司法取引は弁護士の関与が必須であるのに対し,
刑事免責制度は弁護士の関与なく進められます。
以上の外観のとおり,実は,刑事免責制度の方が,適用範囲が広く,
検察官にとっては使いやすい,
被疑者・被告人にとっては,都合の悪い制度のようにも思えます。
いずれにしろ,まだ,具体的な運用については未知の部分がありますので,これからの実務を注視する必要があります。
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